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東村山市議にたいする人権侵害事件について署名のお願い

東村山市議の薄井政美さんは、以前、性風俗紙の記者をしていました。
その経歴を理由に、おなじ東村山市議である朝木直子氏が、薄井氏を辞職させるよう、市長あて申し立てをしたそうです。

朝木氏の行為には、少なくとも二つの問題点があります。
第一に、ある人が就いている職業を過去の経歴を理由にやめさせようとする行為は、人権侵害に当たるという点。今回の件は、薄井氏の職業選択の自由をはばむ人権侵害事件として捉えられなければなりません。かような人権侵害を市議のステイタスにありながら堂々と行う朝木氏の見識を疑います。朝木氏の申し立て文書には「人権侵害等申出書」のタイトルが付されていますが、人権侵害を行っているのは朝木氏のほうです。

第二に、ネット上で公開されている薄井氏が出演する風俗情報提供番組を「市民である私にたいするセクシュアル・ハラスメント」と解釈している点。たとえば郵便などで朝木氏本人にダイレクトにその情報が提供されたのであれば、それはハラスメントとなりえます。また、朝木氏が利用するパブリック・スペースに上記の情報が陳列されていれば、それは環境型セクシュアル・ハラスメントとなりえます。見たくないのに目に入ってしまうからです。しかし、ネット上の情報は、ユーザーが能動的に働きかけなければ「見なくて済む」ものです。そうした性質を持つネット情報を「市民である私にたいするセクシュアル・ハラスメント」とするのは、悪意にみちた拡大解釈であると言わざるをえません。

さらに、矢野ほづみ氏も自身が発行人をつとめる『東村山市民新聞』なるメディアで薄井氏への中傷行為を行っています。
矢野氏も市議であり、議員としての資質を疑います。

如上の理由で、私はSWASHの要友紀子さんからの「呼びかけ」に賛同し、また、みなさんにも賛同をお願いしたいと思います。締め切りは24日(日曜日)。

・お名前(ペンネームも可) 
・肩書
・可能なら一言メッセージ

を swash@kitty.jp の要さんあてにお送りください。
提出の報告は http://www.ganbareusui.com/  でなされる予定です。

以下の要さんからの呼びかけ文にお目通しいただければ幸いです。

*********************************

「東村山市民新聞」における薄井政美・東村山市議会議員に対する誹謗中傷と、
朝木直子・同議員による薄井議員の辞職勧告申出書の内容についての抗議文

 風俗に対する偏見はまだまだ根強いものがありますが、私たちは風俗や風俗に
関わる仕事をしている人たちが、「風俗」を理由に差別されるのはおかしいと考
えています。それゆえ、先の統一地方選挙で東村山市議会議員に当選した薄井政
美議員が、過去の職歴・元マンゾクニュース記者を理由に、差別や誹謗中傷を受
けていることに強く抗議し、すぐに差別を止めるよう要求します。

 薄井議員は東村山市議になる前まで、風俗情報誌であるマンゾクニュースで記
者として働いていました。そのことについて、「東村山市民新聞」(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/index.html)発行人の
矢野穂積氏は、薄井議員がしていた風俗情報誌の仕事をセクハラ同様に位置づけ、
それを理由に薄井議員の辞職を要求。風俗についてもまた、セクハラ類似行為を
売り物にしているから消滅すべきだと言っています(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page027.html
)。
 また、同新聞の編集長である東村山市議の朝木直子議員は5月25日、市長あて
に、薄井市議の辞職勧告措置を求める文書を提出しました(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page038.html
)。
 矢野議員、朝木議員による一連のこうした言動は、風俗や風俗に関わる仕事を
している人々を貶めるものです。風俗関連で働く人たちはセクハラを売り物にし
ていませんし、セクハラを許していません。それに何がセクハラ行為にあたるか
は、矢野議員が勝手に決めて判断することではありません。
 朝木議員は、インターネット上で自ら探し出した過去の薄井議員のマンゾクニ
ュース記者時代の動画について、朝木議員自身に対するセクハラだと言いますが、
薄井議員が朝木議員に向けて情報発信したものではなく、風俗情報を知りたいと
思う視聴者が自主的、主体的にアクセスして得られる情報なので、それを知りた
くないと思う公衆に向けたものではありませんし、朝木議員が自分に対するセク
ハラだという論理はおかしいと思います。
 また、風俗に関連する仕事をしていた人が政治家になる資格がないというのは、
職業差別であり、人権侵害です。私たちはむしろ、過去に風俗で働いていた人た
ちや風俗に関わる仕事をしていた人でも政治家になれる道やチャンスをつくって
いくことが大事なのではないでしょうか。風俗の当事者や現場というのは、まだ
まだ支援や社会保障の行き届いていない領域です。そこから社会の問題、政治の
問題へと発展させていく人がいなければ、風俗で起こる不幸を止めようとする人
はないに等しいのです。
 そういう意味では、これまで薄井議員は記者として現場の声をメディアで伝え
る努力をしてきてくれた数少ない理解者なのです。薄井議員の記者としての仕事
は、ただ風俗情報を伝えるだけではありませんでした。薄井議員は、内外タイム
スでの連載や、マンゾクニュースの記事、市民集会などを通じて、人々に、HI
V/STD予防、客のマナーについての呼びかけや、風俗嬢の人権問題(ストー
カー被害や店の問題)、法的・社会的支援体制の必要性について訴え、風俗嬢の
実態調査でもボランティアで協力してくれるなど、風俗で働いている女性たちの
安全と健康、人権について、言葉だけでなく、労力を惜しまず動いてきてくれた
人なのです。
 こうした薄井議員のこれまでの貢献は、風俗のユーザーだけでなく、私たちの
風俗嬢の労働環境改善と人権問題への取り組みに一石を投じただけでなく、多く
の風俗嬢の女性たちにエンパワメントをもたらしてくれました。
 矢野議員と朝木議員は、薄井議員の職歴と仕事の一面だけを取り上げて、セク
ハラで男女共同参画社会を阻害すると言っていますが、それによって、風俗嬢の
社会進出や、政治進出が阻害されることについては全く問題意識がないと言わざ
るを得ませんし、薄井議員が風俗で働く女性たちの抱える問題にどう取り組んで
きた人なのかを全く知らずに批判しています。
 薄井議員は職歴についてブログで包み隠さずプロフィールをオープンにして当
選しました。風俗情報誌を出す出版社で働いていたからといって議員を辞職しろ
というのは、職業差別以外の何ものでもありません。
 
 矢野議員と朝木議員の、薄井議員に対する言動によって、薄井議員だけでなく、
風俗に関わる仕事をしている人たちや、性にまつわる仕事をしている人たちが怒
り、傷つき、嫌な思いをしました。もうこれ以上、風俗を差別する言動を続ける
のは辞めてください。そして、東村山市長へ提出した薄井議員の辞職勧告申出書
を取り下げてください。薄井議員の誹謗中傷活動をする時間があったら、もっと
他の重要な課題に取り組んでもらいたいです。それが有権者や市民に対する役割
と責任ではないでしょうか。

【賛同人】(6月21日現在)

松沢呉一(ライター)
神田敏晶(KandaNewsNetwork,Inc.代表取締役)
吉村英二(消費者リポート編集長)
塚本まこと(AIDS Poster Project)
木下茅(ピープルズプラン研究所)
澁谷知美(東京経済大学専任教員)
武者小路公秀(反差別国際運動日本委員会理事長)
環さくら
麻姑仙女(TG活動家)
徳永信一(弁護士)
ランス(ライター/bolg『For Weekender』主宰)
坪内達昭
松田さおり(教員)
吉住亜矢(株式会社新評論)
宮台真司(首都大学東京教授)
金子慎一郎(AV男優)
郭金明(風俗情報誌記者)
富永さとる(美しい国/都民)
水谷和子(都民)
松田遊人(風俗ライター)
早川行雄(武蔵野在住)
坂本公佳(風俗嬢)


【賛同メッセージ】

*****

風俗記者だったことで辞職勧告は、もっとも基本的な民主主義の原則に反します。
たとえば学歴の詐称や、過去に事件を起して刑事処分になったことをだまってい
たりすれば、それは辞職勧告の対象になりますが、過去に殺人を犯したとしても、
刑期を終えていれば市民としての権利である選挙権と選挙される権利があります。
大変嘆かわしい民主主義の無理解という意味からも、賛同いたします。
(武者小路公秀/反差別国際運動日本委員会理事長)

*****

 風俗記者・レポーターだったことをもって議員辞職すべき事由にあたるという
矢野・朝木両氏の理由には全く賛同できません。社会から猥雑なものを一切「浄
化」してしまおうとする全体主義、ファシズムにつながる危険性を感じます。か
かる浄化主義のもとで現実に抑圧されるのは、両氏が向き合ったことがないであ
ろう、性風俗産業で働かざるを得ない女性たちです。自分が強者の立場にあるこ
とを自覚せずに弱者の立場を標榜する者による倫理道徳ふりまわしの論理ほど恐
いものはありません。
 ネット上で情報発信すること自体の自由を、自らの価値観にあわないという理
由で否定していることも、全体主義、ファシズムとの親和性を表しています。た
とえ、実定法が目的とする価値観と異なる価値観に基づく表現であっても、また、
たとえ自分の価値観とは相反する価値観に基づく表現であっても、表現の自由は
擁護しなければなりません。自分の価値観から見て不快だということをもって
「ハラスメント」と称し、権力的介入の根拠となるという考え方は、表現の自由
を完全に否定するものです。ネットの情報は見たくなければ自ら見に行かなけれ
ばいいだけのことです。もし表現の自由を市民が自ら否定してしまえば、万が一
やがて男女共同参画基本法(や条例)が廃止された場合、男女共同参画を主張す
る表現物はすべて墨塗りや焚書、上映禁止等の憂き目にあうことでしょう。そし
てそれを批判する根拠は失われてしまいます。今回の矢野・朝木両氏の論理は、
既に東京都で起こっているジェンダーフリー・バッシングの動きとそのメタ・レ
ベルの思想体質において実は同一地平にあると言わざるを得ません。
 さらに朝木議員が、自ら議員の職にありながら、首長に対して議員である薄井
氏への辞職につながる議会への介入を要請したことは、議会制の根幹を否定する
暴挙です。議員の資格を剥奪することができるのは有権者及び議会だけであり、
議会から監視される立場の首長の側による個々の議員の資格への介入は絶対に許
してはなりません。わざわざかかる介入を首長に要請する行為に及ぶとは、朝木
議員は議会制の本旨を理解できていないと言わざるを得ず、議員として不見識こ
の上ないことです。この1点をもって、朝木議員自身が自ら議員を辞職するか、
猛省すべきです。
 お母さんの死に関する疑惑の件では精神的に朝木さんを応援していましたが、
議員としての資質に疑問を感じますし、「美しい国」のかけ声の中、かかる浄化
主義体質に陥ってしまわれたとは極めて残念です。
(富永さとる/美しい国/都民)

*****

薄井市議への辞職勧告要求は、性風俗への賤業意識にもとづく差別主義であり、
人権侵害そのもの。むしろ薄井市議への誹謗中傷や辞職勧告を要求する人々こそ、
断罪されるべき。
(ランス/ライター/bolg『For Weekender』主宰)

*****

 議員が過去の職業により差別されるとは驚きです。職業選択の自由は憲法(2
2条)に規定されているのですから、これに反して薄井市議への誹謗を続ける人
々の憲法遵守意識を疑います。もしこの件で市長が辞職勧告を出すなどの事があ
れば、「憲法尊重養護の義務違反」(同99条)として「特別公務員の資格無し。
」と判断されるべきです。薄井市議は選挙民によって選ばれています。この重み
が分からない矢野、朝木両議員の選挙民軽視も問題にしなくてはなりません。
 この一連の差別運動は「中世の魔女裁判」を連想させます。言論を封殺する非
民主的社会は一見、草の根運動的にやってくるように思います。今回はまさにそ
れでしょう。
 矢野、朝木両義員は辞職勧告申出書を直ちに撤回し、薄井議員に一連の差別行
動を謝罪すべきです。
(水谷和子/都民)

===

 邦訳の発売が遅れているが、フェミニストの法学者が書いた『ディフェンディ
ング・ポルノグラフィ』で描かれているセクハラの拡大解釈による表現規制、人
権侵害が日本でも遂に現実のものになってきたようだ。
 「東村山市民新聞」なるものがどんなものなのか私は寡聞にして知らないが、
この発行人の名のもとに書かれているこの一文
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page027.html
を見ていただきたい。これが新聞社の書く文章だろうか。
 さらには、この杜撰で稚拙なセクハラの定義にさえまったく当てはまらない事
例を「セクハラだ」と騒ぎ立て、議員辞職を求めるのが現役の議員だと聞いてと
震撼しないではいられない。
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page038.html
 人権意識が希薄で、表現の自由の重要性を認識できていない輩が、野放図に拡
大された「セクハラ」という武器を手に入れた時に、どれほど自分勝手に振り回
し、自分の気に入らない他者を攻撃する道具として利用するのかを知るには格好
の例だろう。差別者どもにとっても、「セクハラ」はとても便利な武器なのだ。
人権だのなんだのを安易に口にする人々の本質を見事に炙り出すという意味でも
便利な道具ってことだが、とても笑って済ませられる笑い話ではない。
「地方議会なんてものはこんなもの」と諦めてはならない。東村山市民の皆さん、
いったいどちらが議員として不適格なのか、ぜひとも見極めていただきたい。
(松沢呉一/ライター)

===

 矢野ほづみ議員、朝木直子議員による薄井議員への誹謗中傷、及び辞職勧告申
し出に対し、抗議を申し上げます。
 わたくしは、同じ女性として、性産業で働く女性を侮蔑する表現をためらいな
く使用する両議員こそがその議員としての資質を問われるべきだと考えます。
 矢野氏が発行する「東村山新聞」は、性産業を卑見し、その多くの形容表現は
性産業に関与する男性ばかりでなく、風俗嬢に対する中傷表現に満ちています。
 ご自身が性産業を忌み嫌うのはわたくしの意見するところではありませんが、
「東村山新聞」では、薄井議員の前歴、ウェブ上での発言を拾って「ハラスメン
ト」ととらえ、女性の権利侵害と書かれております。しかし、わたくしは両議員
が女性の人権を盾にする資格を有しているとは思えません。
 風俗で働き、実際にサービスを提供している女性が、今現在どのような脆弱性
に晒されているかご存知でしょうか。また、ほかの労働者と同じように、労働に
対して勤勉と自負をもつことに最低限の想像力は働かないのでしょうか。
 「東村山新聞」を読む限り、わたくしは両議員の暴力的な職業貴賎意識に驚か
ざるを得ませんでした。また、このような発言をする方が市議員としてどのよう
な政治理念をお持ちなのか恐ろしくてなりません。
 風俗という領域に生きる人間へ向けられている排他主義こそ人権侵害ではない
でしょうか。

 「セクハラ類似行為」を売り物にすること(職業も)はいずれ規制対象となっ
て消滅する以外にないはず」
 というコメントがありますが(「薄井セクハラ問題」と市議としての不適格性)
、これは「浄化」思想です。お聞きしたいのは、規制をかけていわゆる「市民」
の可視領域から風俗業界が消滅すれば、よりよい社会が実現するのでしょうか。
 では、労働の場を奪われた風俗嬢はどこにゆくのですか。
 シングルマザーの風俗嬢や、家の事情で風俗嬢になった女性も多くいます。も
ちろん彼女たちは自身の選択で風俗の仕事に就いていますが、選択肢が少なかっ
た事実があります。政治家として、かかる排斥をお考えでしたら、どのような保
障案をお持ちなのかお尋ねしたいところです。
 風俗嬢や、風俗産業に関わる人間もまた「市民」であることをお忘れにならな
いよう願いたく思います。

 また、「あなたが出没する先々で「差別とセクハラのマンゾクTVの××」と
後ろ指を差され続けるのは必定でしょう。」
 というコメントには悲しくなるばかりです。
 市議たる人物が、前歴によるスティグマ、レッテル貼りをウェブ上に流す行為
は、それだけでも市議としての資質が問われることであります。
(すずき ゆい/風俗嬢・都民)

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