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質問をする時になぜ男性は片手をポケットに入れるのか等、第83回日本社会学会の感想

浅野智彦さんが twitter で書かれている「「私の理解が浅いのかもしれませんが」に続く質問」を浅野さんも出席していた部会でしたのは私ですが、久しぶりに行った日本社会学会、面白かったです。

他の人の twitter も見てたら、質問のスタイルについていろいろ意見が出てて、

「質問するふりして意見を言う人が熱い」

「「ちょっと確認なんですが」に続くコメントが確認どころじゃなくて破壊的だったりする確率、結構高いような気がする」

「「~だと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?」というのは大体質問に見せかけた「おまえ判ってないだろ」という恫喝」

なんて指摘もありました。みんなよく見てるね!

で、この流れに乗って前から気になってたことを書きますが、マイクを持っての質問時、なぜ男性は片手をポケットにつっこむんでしょうか(*1)。
あんまり多いんで、院生時代に数えたことがありますが、その時は9割ぐらいの男性が片手をポケット・インしつつ質問をしていました。

考えた仮説は、

1) 片手の置き場所がないから。

2) カッコつけたいから。

1)は、まぁ妥当性あると思います。この仮説が支持されても、「なぜポケット以外の所でなくポケットなのか」というナゾは残りますが。

2)も妥当か。ここで本人によって追求されている「カッコよさ」とは、他者定義ではなく自己定義によるものですが。

3つ目の仮説も考えたのですが、ここで披露するのはよしておきます。

女性のポケット・インは見たことがありません。
女性の場合は、片手をマイクに添えることが多いです。
アグネス・チャンの「ひなげしの花」風。

ポケットに入れず、マイクに添えないジェンダー・ニュートラルな片手のあり方を模索したのですが、これがけっこう難しい。
背中に回すと前かがみになるし、腰にあてると怒ってるみたい。
けっきょく、なにか紙を持つか、話すのに合わせて自然に動かすというところに落ち着きました。

内容の話をすこし。

シンポジウムは、3の「政権交代を社会学はどう考えるか」に出ました。社会学者も政治について何らかの提言ができるようになろう、という願いもあってこのシンポが立ち上げられたそうだけど、「たぶん難しいだろうな」というのが感想です。

政治や経済の分野にかんしていうと、社会学者は、メタレベルから大づかみな状況を説明することと、大づかみな提言をすることはできるけど、具体的で実効性のある提言はできない。
それをするには、体系的かつ緻密な知識を要するからで、ベタに政治・経済を研究している専門家には負けます。

とても役に立つ話をしてくれたシンポジストの社会学者が、コメンテータの政治学者や財政学者に次々につっこまれるのを見て、「勝てねぇ」と思いましたもん。あれだけよくモノ知っててもダメなんだと。

でも、それでいいじゃないかと。
社会学のアイデンティティは、ヨコの領域と関連させつつ対象についてメタな説明をする所にあるのであって、ベタに扱って提言する所にあるわけではありませんから。
御用学者になるのがエライわけではないしね。

もっとも、全分野で提言ができないわけではなく、教育、家族・結婚といった分野では提言できると思えるのは、有意義な提言をしている社会学者がじっさいに居るということ以上に、「政治の専門家」「経済の専門家」と同じような形で、「教育の専門家」「家族・結婚の専門家」が居るわけじゃないからでしょう。

やはり、政治学や経済学などの先発の学問がとりこぼしてきたものを拾う「落ち穂拾い」の学なのですよ、社会学は。
それでいいじゃんねー。

個別の発表では、漫才作家の秋田実や、警察官の腹話術を扱う研究が気になりました。
社会学以外ではなかなか扱えない素材。ステキ。
他の部会に出ていて聞けなかったので、レジメだけいただきました。

会場関係でいうと、お手伝いの学生さんの気働きのレベルが高かったのに驚きました。
挨拶、丁寧な言葉づかい、身のこなし、「自然な」笑顔、どれをとっても素晴らしい(と、若い人が感情労働させられている状況を無批判に褒めたらいけないのですが)。
皆さん、バイトで仕込まれているのでしょうか。私が大学生だった時とは隔世の感があります。

ちょっと年齢が上の人になると、統括している身だからか、けっこうピリピリしてましたねー。
統括していると、あらゆることがどんどん気になってくるんですよね。自分もシンポを組織した時に「鬼軍曹」と呼ばれておりましたし、気持ちはよく分かります。

ともかく、名古屋大学の皆さま、お疲れさまでした。

友だちがいないと公言している私が、マイナーな場所で一人でお昼を食べていると、やはり友だちがいないと公言している、あるお方が、迷いこむようにしてその場所においでになりました。
言動の首尾一貫性に、ますます信頼!

(*1) ネット検索したら、「中高年世代の男性に多いポケットに手を入れるクセ」を、「ケガをした腕を三角巾でつるのと同じ状態。腕の重さを自分の肩の筋肉の三角筋で支えきれなくなっているのが原因」(石井直方東京大学教授)と説明しているのを見つけました(サンスポ・コム。2007年5月5日。http://www.sanspo.com/gourmet/club/070505.html)。ふだんのクセの話で、マイクを持っての質問時の話には当てはまらないけど、言説として興味深い。

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