カテゴリー「朝木直子・矢野穂積問題」の4件の記事

東村山問題をめぐる宮台真司さんと松沢呉一さんの対談

朝木直子・矢野穂積問題について、宮台真司さんはどう考えておられるのか伺いたかったんですが、ついに。
本日発売の『SPA!』2007年8月7日号に松沢呉一さんとの対談が載っています。


※2007年8月1日午前8時30分の追記

負けていない気でいられる自己暗示能力だけは一流の矢野穂積が、とうとう宮台真司さんに宣戦布告です。
http://www.higashimurayamasiminsinbun.com/page117.html

賛同者に論破されまくり、おはら汁・荒井さんにコテンパンにされて「撤収!」と叫んだ矢野が、言論界きってのキレ者・宮台さんにどんな珍奇なパンチを繰りだすか。

「撤収!」については 「おはら汁」2007年7月25日エントリ参照 http://ameblo.jp/oharan/entry-10041062944.html

お時間のある方はご注目ください。
結果が丸わかりなゲームも、見ているとそれなりに楽しいものです。

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東村山問題の現在

7月2日、SWASHより賛同メッセージとどもに、朝木・矢野両議員へ抗議文が送られました。
提出後も応援メッセージが寄せられているそうです。
http://www.ganbareusui.com/


7月9日、市民から出されていた2通の薄井議員辞職請願が不採択に終わったそうです。
まったくもって当然のことですが。

詳細は 薄井議員ブログ「好きになろうよ!東村山」
http://usuimasayoshi.blog98.fc2.com/blog-entry-78.html

薄井氏応援サイト
http://www.ganbareusui.com/
掲示板>反論が始まりました>7月9日薄井氏の辞職勧告を求める請願の審議会、傍聴にいってきました。


さて、『東村山シミン新聞』に「「東京経済大学教員」の破綻」
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page073.html
という特設コーナーを作っていただいております(6月28日早朝確認)。

いろいろ書いてありますが、澁谷が指摘したことで、両先生が応えていないことがあります。それは、

1. 自分で18禁サイトを見ておいて、なぜ「セクハラ」?
2. 「出版社社員」と表示すると「経歴詐称」「経歴隠匿」?
3. なぜ東村山市民しか発言してはいけない?

ということ。「緻密な議論をせよ」と要請しておいて、こちらが応えると華麗にスルー。いやはや、お見事です。

1.と3.については、繰り返しにしかなりませんので省略します。
両先生がどのような弁明を出すのか、待ちましょう。

2.については、松沢呉一さんが興味深い事実を発見されたので(薄井氏応援サイト 掲示板>反論が始まりました>朝木直子の選挙公報 参照)、ご紹介します。
以下は朝木直子さんが1995年の選挙広報に掲載していた経歴です。

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▼ 化成小・東村山二中・武蔵高・慶応大哲学科卒/市川房枝記念会員/会社員/高齢者福祉ボランティア/朝木明代議員・長女/現在27才。
▼ 92年から東村山市民新聞・編集委員/93年都議選に立候補。市内で約七千票を獲得/政治腐敗追及の市民運動などに参加。

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「会社員」て。
先生方の論法でいくと、これこそ「経歴詐称」「経歴隠匿」になってしまいます。
このような記述が現時点で法的・社会的に問題がないことは前回確認したとおりですが、自分は「会社員」で済ませておきながら、他人には「風俗紙記者」と書けというのは、いったいどういうことでしょうか。
薄井氏が示したように「出版社社員」のほうが、事業名が明らかになっているだけ、まだ詳細がわかるというものです。

この件についての朝木さんのコメントも待ちましょう。
なお、上記経歴内の都議選で、朝木さんは落選しています。


ウォッチングは継続するものの、もう私は先生方とやりとりをさせていただく気は無いんですが(「沈没!」とか書かれるのかしら)、いちおう、批判めいたものにも応えておきます。

>>「被差別部落」の問題や「外国人差別」をさまざま饒舌するが、「性風俗業」の問題とを同列に扱うこと自体が全く勝手な我田引水論というほかなく

こうした記述こそがまさに「職業差別」となるので、言葉の使い方には十分な配慮をされますようお薦め申し上げます。
「部落」出身者や「在日外国人」、そしてセックスワーカーは、この社会に根強く残る偏見のおかげで、自らの属性を公にしづらいという点では共通しています。それを「同列に扱」ってはならない、とワーカーのみを排除することが問題なのです。


>>「『教員が教室で学生に行った講義』のビデオの記録」も「過去の経歴」だというのか!

はい、そうです。私が市議に当選して、上記ビデオが残っていることを理由に辞職勧告を出されたら、それは「過去の経歴」を理由に辞めさせようとしていることと同義。このように主張することに、なんの問題もありません。


>>処分権限のない民・民間に適用されるものでないことは自明である。

たとえ今回の件が私人間に起きたことと認定されるとしても、憲法が「処分権限のない民・民間に適用されるものでないことは自明」という意見は、現在の法学界ではほとんど支持されておりません。専門書をひもといて「私人間効力」についての議論を参照してください。


「慰安婦」云々については、この単語が出てくる意味がまったくわかりません。


>> 彼によれば、薄井さんの実際のマンゾクTVでの

「彼」とありますが、私の性別は「女」です。
もちろん先生方におかれましてはそんなことは先刻ご承知で、単なるタイプミスであろうと愚考いたします。


「澁谷知美さんという人物像」という特設コーナーも作っていただいています。
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page061.html
どうせなら澁谷のサイトへのリンクも貼ってください。より深く澁谷の人物像を知っていただけると思います。
http://homepage2.nifty.com/st_s/
澁谷サイトは18禁ではないので、「18禁サイトへのリンクを警告なしに非18禁サイトに貼るなんて非常識」という指摘を受けることもないでしょう。


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朝木直子氏・矢野ほづみ氏への反批判――「緻密な議論」をしてあげよう

薄井氏応援サイトができました。
http://www.ganbareusui.com/
応援メッセージがたくさん。
まだまだ募集中ですので、ぜひ署名をお願いします。


さて、当ブログ6月21日のエントリについて、『東村山新聞』において朝木氏・矢野氏から「緻密な議論」をせよ、とクレームが入った(以下、「批判」と表記。なぜか両氏はちょこまか文章を変えるのでキャッシュを取ってある。6月23日昼版キャッシュはこちら。6月23日夕方版キャッシュはこちら。そして、現在版はこちら。ちなみに、朝木氏がしばしば発言を翻す人物であるらしいことがわかるサイトはこちらの「コロコロ変わる直子氏の主張」参照)。

理論性を欠いた文章を書き散らかす人たち相手に「緻密な議論」をしてみたところで、おそらく理解できないと思うのだが、今後の運動の理論的基盤を鍛える一助となることを期して、前回エントリにおいて、「呼びかけ文」に澁谷がオリジナルに付加した文章の内容を補足しておく(【1】)。あわせて、「批判」に答える形で新たな論点について澁谷の考えを述べておく(【2】~【4】)。


【1】朝木氏「申出書」提出は薄井氏の「職業選択の自由」権の侵害である

さて、澁谷は前回エントリで以下のように書いた。

「ある人が就いている職業を過去の経歴を理由にやめさせようとする行為は、人権侵害に当たるという点。今回の件は、薄井氏の職業選択の自由をはばむ人権侵害事件として捉えられなければなりません」(前回エントリ)

これについて、朝木・矢野両氏から以下のクレームがついた。

「「過去の経歴を理由に市議をやめさせようとした」とは、私どもの主張の具体的に何を指すのでしょうか」(批判)

この問いにたいする澁谷の答はこうだ。
朝木氏が、妥当性のない「申出書」の市長への提出をもって薄井氏に辞職を勧告する行為そのもの、である。「申出書」の内容と提出行為のコンビネーションをもって、朝木氏が「過去の経歴を理由に〔薄井〕市議をやめさせようとし」ていることである、と認識し、その旨書いた。

かような回答に至る理論的背景を説明する。
国が国民にたいして「職業選択の自由」(憲法22条)を制限していいのは、主として「公共の福祉」(憲法13条)に反する場合である。職業選択の自由がどこまで制限されてよいかは、「規制目的二分論」にもとづいて判断がなされる。

規制目的二分論の「規制」とは「消極目的の規制」と「積極目的の規制」の二つを含意する。
「消極目的の規制」とは、国民の生命や健康にたいする危険等を防止する目的で行われる規制のことである。国民の生命や健康を守る立場にある医師を医師免許取得者に限定する、といった場合が想定される。
「積極目的の規制」とは、社会的・経済的弱者を保護するためのものである。小規模な商店街の経済的利益を守るため、大型スーパーの出店を制限するといった場合が想定される。

公人が公人にたいして「職業選択の自由」を制限しようとする場合も、上記の規制目的二分論に依拠しながら検討がなされてよいと判断する。本件の場合、関連があるのは「消極目的の規制」である。薄井氏が「公共の福祉」(=「申出書」でいうところの「男女共同参画」がこれに相当する)を損害する言動をしていることを朝木氏が証明できれば、薄井氏の議員としての「職業選択の自由」権は制限されてよい。しかし、それができないままに辞職勧告をしているのだとすれば、朝木氏は不当に薄井氏の「職業選択の自由」権を制限したことになる。

では、朝木氏は、薄井氏の言動が「公共の福祉(=男女共同参画)」を損害していることを証明できているのであろうか? 

そのことを検討する前に、まずは朝木氏が何を問題化し、澁谷は朝木氏の問題化をいかなる観点から問題化したのかを確認しておく。

朝木氏が問題にしていること。それは、厳密にいうと、薄井氏の風俗紙記者としての個々の言動ではない。そうではなく、

「市議の任期が開始された5月1日以降、現在(5月25日現在)においてもなお、このアダルト・サイトは存在し、薄井政美は上記情報を公衆に表示し男女共同参画を阻害する行為を行っていること」(朝木氏「申出書」1項)

である。つまり、「申出書」で「男女共同参画を阻害」していると言われているのは、薄井氏の「過去」の記者時代の個々の言動ではなく、その言動を記録した動画が市議任用後の「現在」に至ってもサイト上に残存している事実だということになる(以下、この事実を「動画の残存」と呼ぶ)。

一方、澁谷が問題化したことは何か。澁谷は「過去の経歴」という言葉を前エントリで用いた。経歴というのは、一般的には「今まで経験してきた仕事・身分・地位・学業などの事柄。履歴」のことであるが、前エントリで澁谷が「経歴」という言葉によって含意していたことを厳密に定義すると「過去の風俗紙記者としての職務遂行過程の記録」ということになる。性風俗紙記者の職務とは、性風俗施設から広告費を受け取り、その代価として顧客に性風俗施設へできるだけ多く通ってもらうよう、販売促進をすることである。「人妻はカラダをほめろ」という発言はセックスワーカーをほめることによってより良いサービスを顧客が得ることを可能にさせる技術の教授であり、顧客の満足度を高めて、リピーターになってもらうための販売促進の一環である。「女体盛りは食い散らかしてよし!」は、客に性風俗施設の利用の仕方を伝達することで、トラブルなく遊んでもらうことを目的とし、結果的に継続的な利用を促進するものといえる。かような言動は、風俗紙記者としての「職務遂行過程」そのものである。

※ なお、澁谷のセックスワークについての考え方は「買春改革論」『クィア・ジャパン』2号参照。

この「過去の風俗紙記者としての職務遂行過程の記録」である「動画」の「残存」が、朝木氏には気に入らないわけである。そして、その「動画の残存」を根拠として、薄井氏に市議辞職勧告を行っている。
それにたいし、澁谷は、「経歴」を「過去の風俗紙記者としての職務遂行過程の記録」と同置した上で、朝木氏の「動画の残存」をもって辞職勧告をする行為が、「ある人〔=薄井氏〕が就いている職業を過去の経歴を理由にやめさせようと」していることである(前回エントリ)、と問題化をしたわけである。

再び前掲の問いに戻ろう。前掲の問いは、

朝木氏は、薄井氏の言動が「公共の福祉(=男女共同参画)」を損害していることを証明できているのであろうか?

というものであった。朝木氏が薄井氏の言動そのものよりは、言動を記録した「動画の残存」を問題にしていることが確認された今、

朝木氏は、薄井氏の言動を記録した「動画の残存」が「公共の福祉(=男女共同参画)」を損害していることを証明できているのであろうか?

という問いに変換したほうが適切である。さらに、動画上の薄井氏の言動が過去における風俗紙記者としての「職務遂行過程」であることをふまえ、

朝木氏は、薄井氏の過去の風俗紙記者としての「職務遂行過程」を記録した「動画の残存」が「公共の福祉(=男女共同参画)」を損害していることを証明できているのであろうか?

という問いとしてより厳密な形に変換されたほうがよい。

ところで、この問いを問う目的は、朝木氏が薄井氏の「職業選択の自由」権を侵害していないかどうかを確認するためであった。この件について証明ができれば(図に示した二項目をイコールで結ぶことができれば)、朝木氏は、薄井氏の「職業選択の自由」権侵害の責めを負うことはない。しかし、できていなければ、朝木氏は根拠薄弱なまま薄井氏に議員辞職勧告を行ったことになり、不当に薄井氏の「職業選択の自由」権の制限を行ったことになる。

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そうした観点で「申出書」を再度検討してみるに、

薄井氏の過去の風俗紙記者としての「職務遂行過程」を記録した「動画の残存」

「公共の福祉(=男女共同参画)」の損害
=「女性蔑視のセクシャル・ハラスメント」「女性たる私(又は私)に対する人権侵害」(申出書)

とイコールになる根拠らしい根拠は見当たらないのである。根拠らしきものといえば、「動画の残存」によって「受認限度を超えた精神的苦痛」(申出書)を強いられたという、朝木氏の精神状態の報告ぐらいしかない。

しかし、この場合の「精神的苦痛」は二項を結ぶ「根拠」たりえるのか? 過去の事例から考察するに、セクシュアル・ハラスメントや人権侵害において被害者が受ける「精神的苦痛」は、「強いられた」ものである。被害は、職場や学校、狭い村落、パブリック・スペース(ないしはそのような場から派生する人間関係)といった、被害者がその場(や関係)から逃れようにも逃れられないシチュエーションで生じる。したがって、セクシュアル・ハラスメントや人権侵害の被害を特徴づけるのは、被害者の現場からの「逃れられなさ」と、そのことによって惹起される精神的苦痛の「強いられ感」だと認識する。
だが、自分でわざわざインターネットのブラウザを開き、わざわざ検索エンジン等でサイトを探し出して、わざわざ動画を再生して受けたという「精神的苦痛」は「強いられた」ものなのだろうか? 朝木氏が監禁された状態で、パソコンのマウス持つ手を屈強な人物に掴まれながら動画を再生せざるをえなかったのなら、その場は「逃れられなかった」のだろうし、「精神的苦痛」も「強いられた」ものだと認められるが、そんな特殊な状況下に朝木氏があったとは「申出書」には書かれていない。どうせ、自分の部屋かなんかで「これで薄井を追い落とせる!」なんてワクワクしながら見てたのではないかと想像する。
そんな状況で「精神的苦痛」を云々されても、「あんたが見たくて見たんじゃないか」ってことになり、「薄井氏の過去の風俗紙記者としての「職務遂行過程」を記録した「動画の残存」」と「公共の福祉(=男女共同参画)」の損害をイコールで結ぶ根拠には、とてもではないが使えないのである。

ことほどかように、朝木氏「申出書」は図の二項目をイコールで結べていないし、これからも結べないだろう。「職業選択の自由」権制限を正当化する要件である「公共の福祉(=男女共同参画)」の損害を薄井氏が行ったことを証明できていないにもかかわらず、朝木氏は「申出書」を提出することで、薄井市議を辞職させようとしているわけだ。朝木氏は根拠薄弱なまま薄井氏に議員辞職勧告を行ったことになり、薄井氏の「職業選択の自由」権を不当に制限していることになる。前回エントリで澁谷が「今回の件は、薄井氏の職業選択の自由をはばむ人権侵害事件として捉えられなければなりません」と書いたのは以上の理由からである。

【2】 朝木氏は「職業差別」をしている

前回エントリの澁谷オリジナルの文章の補足は以上である。
以下では澁谷オリジナル文章では触れていなかった新たな論点について述べる。

朝木・矢野両氏による「批判」では、澁谷の文章が引用された上で澁谷が「職業差別論」をぶっていることになっているのだが(「中身は何もない「職業差別論」〔中略〕にすぎません」)、引用されている文章において、澁谷は、「職業選択」については触れているが、「職業差別」については何もいっていない。
人に「読解力」を云々する前に、朝木・矢野両氏には人の文章をよく読んで批判することをお願いしたい。かなえられない願いだとは思うが。

念のため整理しておくと、前回エントリの澁谷オリジナルの文章部分で持ちだした「職業選択の自由」概念における「職業」とは、【1】からわかるように、現職である市議のことである。
いっぽう、賛同人として名を連ねた「呼びかけ文」でいわれている「職業差別」という概念における「職業」とは、過去に薄井氏がしていた風俗紙記者のことである。前回エントリの澁谷オリジナルの文章ではこの「職業差別」については何も言及していなかったから、ここで私の理解を説明しておく。なぜ朝木氏は「職業差別」をしているといえるのだろうか。

ある一つの現象はAとも定義できるし、Bとも定義できる(CともDともEとも……と、無限に定義できるのだが、便宜上ここではAとBだけにしておこう)。たとえば、Aさんにとっては「公共事業」と定義される現象が、Bさんにとっては「税金の無駄づかい」として定義されうる。時代Aでは「しつけ」と定義された現象が、時代Bでは「幼児虐待」として定義されうる。

同様に、動画上における薄井氏の言動は、【1】で説明したように風俗紙記者としての「職務遂行過程」として定義されうる。いっぽう「セクシャル・ハラスメント」「人権侵害」(朝木氏「申出書」)という定義も可能だろう。
ただし、それぞれの定義には、その定義を正当化するだけの合理的な根拠が必要である。動画上の薄井氏の言動が「職務遂行過程」として定義づけられるのは、言動の呼びかけの対象(『マンゾクTV』にアクセスする人)や内容(よりよいサービスの獲得法の教授、風俗施設の利用法の伝達など)が、風俗紙記者の職務(顧客をして風俗施設に来させること)を遂行するに足るものであると判断できるからである。
いっぽう、同言動を「セクシャル・ハラスメント」「人権侵害」と定義づけるに足る合理的な根拠はというと、それが「申出書」に見いだし得なかったのは【1】で検討したとおりである。

根拠がないにもかかわらず、Aとしても定義できるものをBとだけ定義して断罪することの暴力性は、たとえば、「職務遂行過程」として定義が可能な、動物を殺して食品として市場に流通させる行為を、「ケガれた行為」とか「残虐行為」と定義して断罪する場合に、よりはっきり自覚されるだろう。「職務遂行過程」と捉えられうる言動が「セクシャル・ハラスメント」「人権侵害」と一方的に定義づけられ、断罪されることも同じことである。このような定義の暴力がある特定の職業にたいしてふるわれる時、私たちはそこで「職業差別」が行われていると告発しなければならない。

【3】朝木・矢野両氏による薄井氏の「経歴隠匿」「経歴詐称」疑惑は妥当性があるのか

「批判」において、朝木・矢野の両氏は次のように述べる。

「村山市内の有権者は薄井さんの経歴は「毎日新聞社記者などを経て、前職は出版社社員」という理解をし、決して「性風俗紙記者」とは考えなかったのではないですか?「経歴隠匿」「経歴詐称」は重大問題です」(批判)

薄井氏が『選挙広報』の経歴に「出版社社員」と書いて「風俗紙記者」と書かなかったことを「経歴隠匿」「経歴詐称」と、朝木・矢野両氏は呼んでいるわけだが、薄井氏の経歴表示のあり方がほんとうに「経歴隠匿」「経歴詐称」になるのかというと、その主張は妥当性を欠くと考える。

先に「経歴詐称」のほうを検討する。選挙における「経歴詐称」の事実の存否を主たる争点として争われた裁判に、1990年代はじめに名古屋であった「公職選挙法違反被告事件」がある。ある参議院議員が、選出される選挙において、その事実がないのに選挙時に経歴書に明治大学に入退学した旨を表示をしたり、その事実がないのに中学の時に公費でスイスにボランティア留学をしたと講演会で話したというものである(名古屋地方裁判所 平成5年12月24日判決、名古屋高等裁判所 平成6年4月24日判決、最高裁判所第2小法廷 平成6年7月18日判決。事件名はいずれも公職選挙法違反被告事件)。裁判では学歴や留学歴は「虚偽」とされ、議員は公職選挙法235条「虚偽事項の公表罪」を根拠に敗訴した。
判決文からは、「経歴詐称」として名指されることがらは、明大に入退学していないのにしたことにしたり、留学をしていないのにしたことにするなど、「していないこと」をあたかも「した」かのように公表することであることが読みとれる。
その段でいくと、『選挙広報』に示された薄井氏の経歴「出版社社員」は「経歴詐称」には当たらない。毎日新聞社勤務ののちに薄井氏が勤めた「内外タイムス社」「クリエイターズカンパニーコネクション社」はいずれも出版事業を行っている。二社を「出版社」と表示することに虚偽性は見出せないだろう。そして、その「出版社」に勤務した事実はあるわけだから、『選挙広報』には「した」ことを「した」まま書いているわけで、そのことにも虚偽性は見出せない。

もうひとつ、「経歴隠匿」のほうだが、経歴隠匿とは「経歴を隠すこと」である。
選挙における「経歴隠匿」にかんしていちばん関連がありそうなのが、上記の名古屋裁判の根拠となった、公職選挙法235条1項である。「当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴〔中略〕に関し虚偽の事項を公にした者」が罰則の対象になることを規程している。だが、経歴等をここまで詳細に書かないと「虚偽」になりますよ、といった基準は公職選挙法には書きこまれていない。判例法によって示されているかと思い、判例を手当たりしだい探してみたが、答えは得られなかった(あればぜひ教えてほしい)。
「していないこと」をあたかも「した」かのように公表することが「経歴詐称」という「虚偽事項の公表」となることは名古屋事件の判例で理解できた。だが、「した」ことの「詳細を示さなかったこと」(この件でいえば、「出版社」でどのような内容の出版活動に従事していたのかを示さなかったこと)が法的に問題になるとは、現時点ではいえないわけである。
法的に問題がなくても社会的にはどうよ、という意見もあるだろう。「出版社」の事業内容を詳細に提示しなかったことは有権者の便宜を損なったのではないかと。しかし、薄井が経歴に示した「出版社」の詳細が知りたい者は、氏の選挙対策事務所に問い合わせることができたのだし、もしも、そこで納得のいく答えが得られなければ、薄井氏に投票しなくて済む自由もあった。したがって、薄井氏が「出版社社員」と書いて「風俗紙記者」と書かなかったことが、有権者の利益を損なっているとはいえないだろう。にもかかわらず、経歴の表記を、さも有権者を欺く「経歴隠匿」であるかのように表象するのは、妥当性を欠くといわねばならない。

※ 本稿脱稿後、薄井氏応援サイトに、東村山市選挙管理委員会に問い合わせて、薄井氏の経歴表示の仕方に違法性があるかどうかを確認した方の投稿がありました。http://www.ganbareusui.com/ の左横の「掲示板」から「反論が始まりました」>「関連資料:東村山市選挙管理委員会への電話での問い合わせ結果」をご覧ください。

ついでに、「どうして〔中略〕薄井さんは「前職は出版社社員」としたのでしょうか?」という朝木・矢野両氏「批判」における疑問にたいして、私の見解を述べておこう。

この疑問にたいする正確な回答は薄井氏ご本人にたずねて得るよりほかはない。しかし、私には誰かさんと違って想像力があるから、想像してみるに、朝木・矢野両氏のような偏見に満ちた人物によって不当に貶められることから身を護りたかったのだと考える(見当ちがいだったらすいません>薄井さん)。
在日外国人にたいする蔑視が蔓延するこの社会で、当事者が出自を明かさないことを誰も批判できまい。「部落」差別がなくならないこの社会で、「部落」出身者が出身地の詳細を明かさないことも批判できまい。それと同様、セックスワーカーや彼女/彼らの顧客にたいする蔑視が蔓延するこの社会で、薄井氏が風俗関連の仕事をしていたことを、積極的に明かさなかったことは批判されえない(もっとも、ある時点まで自らのサイトから『マンゾクTV』にリンクを貼っていたというのだから、かなりの開示度だとは思うが)。

問われるべきは在日外国人や「部落」出身者や薄井氏ではなく、「彼ら」にたいする「我々」の偏見である。「彼ら」に「どうして明かさないの?」などと問う前に、「彼ら」が明かせないとしたらそれはなぜなのか、「彼ら」をして明かせなくしているのは誰なのかを自問すべきである。
鬼の首とったかのように「どうして明かさないんでしょうねェ?」なんてニヤついている暇があったら、「詳細」を明かせない人を明かせなくしている構造に自らが加担していないかどうかを厳しく精査せよ、と朝木・矢野の両氏にはお伝えしたい。
まぁ、言ってもしないだろうけど。

【4】東村山市だけの問題ではない

最後にひとつ。朝木・矢野両氏は「批判」において「地域で生活者として東村山市に住む立場からの発言でないと意味がないのですよ」と、間髪おかず真顔で「なんで?」と返すしかないようなコトバを発している。
多くの論争では、しばしばこの種の「敵の発言の貶価」言説が観察される。「どうせ女の言うことだから」「どうせウヨク/サヨクの言うことだから」等々、発言の内容ではなく発言者の属性にからめて、発言の価値を貶める言説である。経験的にいって、理論的反論ができない者が窮した時に用いる言説戦略である。この言説が出てきたら、先方は白旗を挙げているも同然とみてよい。

ともあれ、読者のみなさんにはすでに承知のことと思うが、①今回の件は東村山市だけの問題ではない、ということと、②今回の件は風俗関連業に従事するの人だけの問題ではない、ということを、もう一度確認していただきたい。

朝木・矢野両氏の所業が徹底的に批判されなければ、似たような事件はあちこちの市町村で起こるだろう。すこしでも風俗にかかわった経歴を持つ議員は辞職を強いられ、日本の議場から一掃されるかもしれない。風俗産業にかかわったことのある人のみならず、このままいくと、性的表現を含むマンガ同人誌や小説を発表したことのある人も、性にかんする研究をしたことのある人も攻撃対象になるかもしれない。もっとひどくなると作品や研究成果を所有しているだけで、ってことにもなりかねない。議場で起こることは一般社会にも流出していくだろう。そして、性的なもの、エロチックなものは、ますます指弾される。

こんな未来を、私たちは望まない。
だから今、東村山に向かって叫ぶのだ。
「職業差別を許しません!」と。

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東村山市議にたいする人権侵害事件について署名のお願い

東村山市議の薄井政美さんは、以前、性風俗紙の記者をしていました。
その経歴を理由に、おなじ東村山市議である朝木直子氏が、薄井氏を辞職させるよう、市長あて申し立てをしたそうです。

朝木氏の行為には、少なくとも二つの問題点があります。
第一に、ある人が就いている職業を過去の経歴を理由にやめさせようとする行為は、人権侵害に当たるという点。今回の件は、薄井氏の職業選択の自由をはばむ人権侵害事件として捉えられなければなりません。かような人権侵害を市議のステイタスにありながら堂々と行う朝木氏の見識を疑います。朝木氏の申し立て文書には「人権侵害等申出書」のタイトルが付されていますが、人権侵害を行っているのは朝木氏のほうです。

第二に、ネット上で公開されている薄井氏が出演する風俗情報提供番組を「市民である私にたいするセクシュアル・ハラスメント」と解釈している点。たとえば郵便などで朝木氏本人にダイレクトにその情報が提供されたのであれば、それはハラスメントとなりえます。また、朝木氏が利用するパブリック・スペースに上記の情報が陳列されていれば、それは環境型セクシュアル・ハラスメントとなりえます。見たくないのに目に入ってしまうからです。しかし、ネット上の情報は、ユーザーが能動的に働きかけなければ「見なくて済む」ものです。そうした性質を持つネット情報を「市民である私にたいするセクシュアル・ハラスメント」とするのは、悪意にみちた拡大解釈であると言わざるをえません。

さらに、矢野ほづみ氏も自身が発行人をつとめる『東村山市民新聞』なるメディアで薄井氏への中傷行為を行っています。
矢野氏も市議であり、議員としての資質を疑います。

如上の理由で、私はSWASHの要友紀子さんからの「呼びかけ」に賛同し、また、みなさんにも賛同をお願いしたいと思います。締め切りは24日(日曜日)。

・お名前(ペンネームも可) 
・肩書
・可能なら一言メッセージ

を swash@kitty.jp の要さんあてにお送りください。
提出の報告は http://www.ganbareusui.com/  でなされる予定です。

以下の要さんからの呼びかけ文にお目通しいただければ幸いです。

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「東村山市民新聞」における薄井政美・東村山市議会議員に対する誹謗中傷と、
朝木直子・同議員による薄井議員の辞職勧告申出書の内容についての抗議文

 風俗に対する偏見はまだまだ根強いものがありますが、私たちは風俗や風俗に
関わる仕事をしている人たちが、「風俗」を理由に差別されるのはおかしいと考
えています。それゆえ、先の統一地方選挙で東村山市議会議員に当選した薄井政
美議員が、過去の職歴・元マンゾクニュース記者を理由に、差別や誹謗中傷を受
けていることに強く抗議し、すぐに差別を止めるよう要求します。

 薄井議員は東村山市議になる前まで、風俗情報誌であるマンゾクニュースで記
者として働いていました。そのことについて、「東村山市民新聞」(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/index.html)発行人の
矢野穂積氏は、薄井議員がしていた風俗情報誌の仕事をセクハラ同様に位置づけ、
それを理由に薄井議員の辞職を要求。風俗についてもまた、セクハラ類似行為を
売り物にしているから消滅すべきだと言っています(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page027.html
)。
 また、同新聞の編集長である東村山市議の朝木直子議員は5月25日、市長あて
に、薄井市議の辞職勧告措置を求める文書を提出しました(
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page038.html
)。
 矢野議員、朝木議員による一連のこうした言動は、風俗や風俗に関わる仕事を
している人々を貶めるものです。風俗関連で働く人たちはセクハラを売り物にし
ていませんし、セクハラを許していません。それに何がセクハラ行為にあたるか
は、矢野議員が勝手に決めて判断することではありません。
 朝木議員は、インターネット上で自ら探し出した過去の薄井議員のマンゾクニ
ュース記者時代の動画について、朝木議員自身に対するセクハラだと言いますが、
薄井議員が朝木議員に向けて情報発信したものではなく、風俗情報を知りたいと
思う視聴者が自主的、主体的にアクセスして得られる情報なので、それを知りた
くないと思う公衆に向けたものではありませんし、朝木議員が自分に対するセク
ハラだという論理はおかしいと思います。
 また、風俗に関連する仕事をしていた人が政治家になる資格がないというのは、
職業差別であり、人権侵害です。私たちはむしろ、過去に風俗で働いていた人た
ちや風俗に関わる仕事をしていた人でも政治家になれる道やチャンスをつくって
いくことが大事なのではないでしょうか。風俗の当事者や現場というのは、まだ
まだ支援や社会保障の行き届いていない領域です。そこから社会の問題、政治の
問題へと発展させていく人がいなければ、風俗で起こる不幸を止めようとする人
はないに等しいのです。
 そういう意味では、これまで薄井議員は記者として現場の声をメディアで伝え
る努力をしてきてくれた数少ない理解者なのです。薄井議員の記者としての仕事
は、ただ風俗情報を伝えるだけではありませんでした。薄井議員は、内外タイム
スでの連載や、マンゾクニュースの記事、市民集会などを通じて、人々に、HI
V/STD予防、客のマナーについての呼びかけや、風俗嬢の人権問題(ストー
カー被害や店の問題)、法的・社会的支援体制の必要性について訴え、風俗嬢の
実態調査でもボランティアで協力してくれるなど、風俗で働いている女性たちの
安全と健康、人権について、言葉だけでなく、労力を惜しまず動いてきてくれた
人なのです。
 こうした薄井議員のこれまでの貢献は、風俗のユーザーだけでなく、私たちの
風俗嬢の労働環境改善と人権問題への取り組みに一石を投じただけでなく、多く
の風俗嬢の女性たちにエンパワメントをもたらしてくれました。
 矢野議員と朝木議員は、薄井議員の職歴と仕事の一面だけを取り上げて、セク
ハラで男女共同参画社会を阻害すると言っていますが、それによって、風俗嬢の
社会進出や、政治進出が阻害されることについては全く問題意識がないと言わざ
るを得ませんし、薄井議員が風俗で働く女性たちの抱える問題にどう取り組んで
きた人なのかを全く知らずに批判しています。
 薄井議員は職歴についてブログで包み隠さずプロフィールをオープンにして当
選しました。風俗情報誌を出す出版社で働いていたからといって議員を辞職しろ
というのは、職業差別以外の何ものでもありません。
 
 矢野議員と朝木議員の、薄井議員に対する言動によって、薄井議員だけでなく、
風俗に関わる仕事をしている人たちや、性にまつわる仕事をしている人たちが怒
り、傷つき、嫌な思いをしました。もうこれ以上、風俗を差別する言動を続ける
のは辞めてください。そして、東村山市長へ提出した薄井議員の辞職勧告申出書
を取り下げてください。薄井議員の誹謗中傷活動をする時間があったら、もっと
他の重要な課題に取り組んでもらいたいです。それが有権者や市民に対する役割
と責任ではないでしょうか。

【賛同人】(6月21日現在)

松沢呉一(ライター)
神田敏晶(KandaNewsNetwork,Inc.代表取締役)
吉村英二(消費者リポート編集長)
塚本まこと(AIDS Poster Project)
木下茅(ピープルズプラン研究所)
澁谷知美(東京経済大学専任教員)
武者小路公秀(反差別国際運動日本委員会理事長)
環さくら
麻姑仙女(TG活動家)
徳永信一(弁護士)
ランス(ライター/bolg『For Weekender』主宰)
坪内達昭
松田さおり(教員)
吉住亜矢(株式会社新評論)
宮台真司(首都大学東京教授)
金子慎一郎(AV男優)
郭金明(風俗情報誌記者)
富永さとる(美しい国/都民)
水谷和子(都民)
松田遊人(風俗ライター)
早川行雄(武蔵野在住)
坂本公佳(風俗嬢)


【賛同メッセージ】

*****

風俗記者だったことで辞職勧告は、もっとも基本的な民主主義の原則に反します。
たとえば学歴の詐称や、過去に事件を起して刑事処分になったことをだまってい
たりすれば、それは辞職勧告の対象になりますが、過去に殺人を犯したとしても、
刑期を終えていれば市民としての権利である選挙権と選挙される権利があります。
大変嘆かわしい民主主義の無理解という意味からも、賛同いたします。
(武者小路公秀/反差別国際運動日本委員会理事長)

*****

 風俗記者・レポーターだったことをもって議員辞職すべき事由にあたるという
矢野・朝木両氏の理由には全く賛同できません。社会から猥雑なものを一切「浄
化」してしまおうとする全体主義、ファシズムにつながる危険性を感じます。か
かる浄化主義のもとで現実に抑圧されるのは、両氏が向き合ったことがないであ
ろう、性風俗産業で働かざるを得ない女性たちです。自分が強者の立場にあるこ
とを自覚せずに弱者の立場を標榜する者による倫理道徳ふりまわしの論理ほど恐
いものはありません。
 ネット上で情報発信すること自体の自由を、自らの価値観にあわないという理
由で否定していることも、全体主義、ファシズムとの親和性を表しています。た
とえ、実定法が目的とする価値観と異なる価値観に基づく表現であっても、また、
たとえ自分の価値観とは相反する価値観に基づく表現であっても、表現の自由は
擁護しなければなりません。自分の価値観から見て不快だということをもって
「ハラスメント」と称し、権力的介入の根拠となるという考え方は、表現の自由
を完全に否定するものです。ネットの情報は見たくなければ自ら見に行かなけれ
ばいいだけのことです。もし表現の自由を市民が自ら否定してしまえば、万が一
やがて男女共同参画基本法(や条例)が廃止された場合、男女共同参画を主張す
る表現物はすべて墨塗りや焚書、上映禁止等の憂き目にあうことでしょう。そし
てそれを批判する根拠は失われてしまいます。今回の矢野・朝木両氏の論理は、
既に東京都で起こっているジェンダーフリー・バッシングの動きとそのメタ・レ
ベルの思想体質において実は同一地平にあると言わざるを得ません。
 さらに朝木議員が、自ら議員の職にありながら、首長に対して議員である薄井
氏への辞職につながる議会への介入を要請したことは、議会制の根幹を否定する
暴挙です。議員の資格を剥奪することができるのは有権者及び議会だけであり、
議会から監視される立場の首長の側による個々の議員の資格への介入は絶対に許
してはなりません。わざわざかかる介入を首長に要請する行為に及ぶとは、朝木
議員は議会制の本旨を理解できていないと言わざるを得ず、議員として不見識こ
の上ないことです。この1点をもって、朝木議員自身が自ら議員を辞職するか、
猛省すべきです。
 お母さんの死に関する疑惑の件では精神的に朝木さんを応援していましたが、
議員としての資質に疑問を感じますし、「美しい国」のかけ声の中、かかる浄化
主義体質に陥ってしまわれたとは極めて残念です。
(富永さとる/美しい国/都民)

*****

薄井市議への辞職勧告要求は、性風俗への賤業意識にもとづく差別主義であり、
人権侵害そのもの。むしろ薄井市議への誹謗中傷や辞職勧告を要求する人々こそ、
断罪されるべき。
(ランス/ライター/bolg『For Weekender』主宰)

*****

 議員が過去の職業により差別されるとは驚きです。職業選択の自由は憲法(2
2条)に規定されているのですから、これに反して薄井市議への誹謗を続ける人
々の憲法遵守意識を疑います。もしこの件で市長が辞職勧告を出すなどの事があ
れば、「憲法尊重養護の義務違反」(同99条)として「特別公務員の資格無し。
」と判断されるべきです。薄井市議は選挙民によって選ばれています。この重み
が分からない矢野、朝木両議員の選挙民軽視も問題にしなくてはなりません。
 この一連の差別運動は「中世の魔女裁判」を連想させます。言論を封殺する非
民主的社会は一見、草の根運動的にやってくるように思います。今回はまさにそ
れでしょう。
 矢野、朝木両義員は辞職勧告申出書を直ちに撤回し、薄井議員に一連の差別行
動を謝罪すべきです。
(水谷和子/都民)

===

 邦訳の発売が遅れているが、フェミニストの法学者が書いた『ディフェンディ
ング・ポルノグラフィ』で描かれているセクハラの拡大解釈による表現規制、人
権侵害が日本でも遂に現実のものになってきたようだ。
 「東村山市民新聞」なるものがどんなものなのか私は寡聞にして知らないが、
この発行人の名のもとに書かれているこの一文
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page027.html
を見ていただきたい。これが新聞社の書く文章だろうか。
 さらには、この杜撰で稚拙なセクハラの定義にさえまったく当てはまらない事
例を「セクハラだ」と騒ぎ立て、議員辞職を求めるのが現役の議員だと聞いてと
震撼しないではいられない。
http://www.geocities.jp/higashimurayamasiminsinbun/page038.html
 人権意識が希薄で、表現の自由の重要性を認識できていない輩が、野放図に拡
大された「セクハラ」という武器を手に入れた時に、どれほど自分勝手に振り回
し、自分の気に入らない他者を攻撃する道具として利用するのかを知るには格好
の例だろう。差別者どもにとっても、「セクハラ」はとても便利な武器なのだ。
人権だのなんだのを安易に口にする人々の本質を見事に炙り出すという意味でも
便利な道具ってことだが、とても笑って済ませられる笑い話ではない。
「地方議会なんてものはこんなもの」と諦めてはならない。東村山市民の皆さん、
いったいどちらが議員として不適格なのか、ぜひとも見極めていただきたい。
(松沢呉一/ライター)

===

 矢野ほづみ議員、朝木直子議員による薄井議員への誹謗中傷、及び辞職勧告申
し出に対し、抗議を申し上げます。
 わたくしは、同じ女性として、性産業で働く女性を侮蔑する表現をためらいな
く使用する両議員こそがその議員としての資質を問われるべきだと考えます。
 矢野氏が発行する「東村山新聞」は、性産業を卑見し、その多くの形容表現は
性産業に関与する男性ばかりでなく、風俗嬢に対する中傷表現に満ちています。
 ご自身が性産業を忌み嫌うのはわたくしの意見するところではありませんが、
「東村山新聞」では、薄井議員の前歴、ウェブ上での発言を拾って「ハラスメン
ト」ととらえ、女性の権利侵害と書かれております。しかし、わたくしは両議員
が女性の人権を盾にする資格を有しているとは思えません。
 風俗で働き、実際にサービスを提供している女性が、今現在どのような脆弱性
に晒されているかご存知でしょうか。また、ほかの労働者と同じように、労働に
対して勤勉と自負をもつことに最低限の想像力は働かないのでしょうか。
 「東村山新聞」を読む限り、わたくしは両議員の暴力的な職業貴賎意識に驚か
ざるを得ませんでした。また、このような発言をする方が市議員としてどのよう
な政治理念をお持ちなのか恐ろしくてなりません。
 風俗という領域に生きる人間へ向けられている排他主義こそ人権侵害ではない
でしょうか。

 「セクハラ類似行為」を売り物にすること(職業も)はいずれ規制対象となっ
て消滅する以外にないはず」
 というコメントがありますが(「薄井セクハラ問題」と市議としての不適格性)
、これは「浄化」思想です。お聞きしたいのは、規制をかけていわゆる「市民」
の可視領域から風俗業界が消滅すれば、よりよい社会が実現するのでしょうか。
 では、労働の場を奪われた風俗嬢はどこにゆくのですか。
 シングルマザーの風俗嬢や、家の事情で風俗嬢になった女性も多くいます。も
ちろん彼女たちは自身の選択で風俗の仕事に就いていますが、選択肢が少なかっ
た事実があります。政治家として、かかる排斥をお考えでしたら、どのような保
障案をお持ちなのかお尋ねしたいところです。
 風俗嬢や、風俗産業に関わる人間もまた「市民」であることをお忘れにならな
いよう願いたく思います。

 また、「あなたが出没する先々で「差別とセクハラのマンゾクTVの××」と
後ろ指を差され続けるのは必定でしょう。」
 というコメントには悲しくなるばかりです。
 市議たる人物が、前歴によるスティグマ、レッテル貼りをウェブ上に流す行為
は、それだけでも市議としての資質が問われることであります。
(すずき ゆい/風俗嬢・都民)

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